タブー視されるワンセグ携帯視聴時間?

電車移動になって数ヶ月。ふと思うところがあるのですが、
ワンセグ放送対応携帯は本当に流行っているのでしょうか。
ワンセグ放送対応カーナビの存在を考えると、ワンセグ放送自体の需要はあると思います。ただ電車の中で必死になって窓際に移動し、ワンセグを見るお父さんの姿もあまり見なくなったように思います。

ワンセグ視聴時間について調べてみると、「ワンセグ携帯の平均視聴時間は1日35分」という報道がImpressを始め、各所から出ています。ところがリンク先の報道は2006年。この発表を行ったのは 株式会社ビデオリサーチ、株式会社博報堂DYメディアパートナーズ、株式会社アサツー ディ・ケイ、株式会社ビデリサーチの4社です。同様の調査を矢野経済研究所PRESS RELEASEとして発表しています。こちらは「週当たりわずか30分」とタイトルを設定しています。

ワンセグが本放送を開始したのは2006年4月1日なので、矢野研究所が行った調査は6月ということを考えると所謂「early adaptor」、新しいもの好きの人が対象になっている可能性があります。前者の記事も2006年10月23日発表なのでまだ早いと思えます。他にマクロミルの発表もありますが、こちらも2006年5月調査なので、同様に早いものになります。

問題はそれ以後。どうも2007年以降のワンセグ視聴時間がプレスリリースや報道に出てきていないようです。もっと調べてみると調査はされているようです。が、2006年のように公開はされておらず、いずれも高額な資料を買う必要があります。また、この内容に触れている報道は見当たりませんでした。

私が発見できたWEBで公開されている2007年以降の情報はマイボイスコムの2007年の調査になります。しかしこの調査で公開されているのは「1回当たりの連続視聴時間」であり、2006年に各所で取り上げられた「1日当たり視聴時間」や「1週間当たり視聴時間」ではありません。

MDDの調査の場合、無料でダウンロードできるので会員登録の後、詳細を見てみましたが、「ワンセグを利用したことがありますか?」という設問はあれども、視聴時間に関する結果は記されていませんでした。こちらのアンケートでは、ワンセグ対応端末を持っている/持っていない、ということが議論されています。よく「ワンセグ対応携帯の出荷台数」について増加したというニュースを耳にしますが、機能が付いているから視聴される、というものでもありませんし、2006年以降の携帯端末の8割以上にワンセグ機能が付いていることを考えると当然のことです。

更に調べてみると博報堂DYメディアパートナーズが2008年8月に「ワンセグでの平均視聴時間は55.8分」というタイトルで資料を出していました。このタイトルだけ見ると私の求めている視聴時間の情報に見えますが、内容は違います。内容は「ワンセグで野球中継を視聴した人の視聴時間」について述べています。

これらのことから、2007年以降のワンセグ携帯視聴時間に関するデータを取り上げるのはタブーなのでは?と思うようになりました。ワンセグはデータ放送とリンクされています。インターネット接続ができる携帯電話と一緒になっていることから、データ放送を効果的に利用できるメディアとして新しい広告媒体としても注目が大きくなっています。もし仮にワンセグ視聴時間が延びていない、あるいは減っているという報道がなされると、広告業界を始め少なからず打撃があるはずです。

先の記事を見てみると大手広告代理店の文字が気になります。こうした企業の動きにより、新規広告媒体を潰さないようにする風潮があったり、局所的に取り上げて盛り上がっているかのように見せようとしているのではないか、と邪推してしまいます。

もっとも、私は純粋に「ワンセグは流行っているのか」ということについて知りたいだけなんですけどね。

次回以降では、ワンセグ放送対応携帯をどうすれば良いのか、考えたことについて書きたいと思います。