悩ましいワンセグTV視聴

前回紹介した資料の中に、とても興味深い調査があります。
マイボイスの2007年8月の調査では、「ワンセグをよく利用する場所・ゾーン」という項目があり、複数回答可能なこの設問では「電車やバス、車などの交通機関利用中」がトップで39.1%を占めています。

移動中というのは数少ない空き時間の一つです。日本の電車を見てみると携帯を弄っている人、パソコンを弄っている人、本を読んでいる人、フリーペーパーを読んでいる人、音楽を聴いている人、寝ている人、化粧をしている人など各々が思い思いの時間を過ごしています。「個人の時間を過ごす様子が見られる公共の場所」として考えるとこれ以上に面白い場所は無いですね。このような「個人の時間」にあってワンセグでTVを見る、というのは当然の行動の一つと言えるでしょう。

ただ、以前のエントリでも述べましたが日本の鉄道はかなりの割合でオフラインです。トンネルは至る所にあり、ビルは建ち並び、地下鉄に到ってはまず視聴は無理でしょう。最初はもの珍しさで見るかも知れませんが、あまりにブチブチ切れる放送に乱れる映像、電池の持ちも悪いとなれば視聴者が遠のいたりしているのでは?と思ったりします。

恐らく、一部の恵まれた交通機関以外では視聴できないでしょう。電波的な問題もありますが、満員電車であの携帯を握るスタイルは意外にスペースを取るので賢い時間潰しとは言えません。私の友人で毎日満員電車に揉まれているのが居ますが、iPodで曲を変えるのも困難な上に、iPod附属のリモコンが曲目も出ずにお粗末だ、という理由でSONYに流れたのが居ます。それほどまでに過酷な環境下で携帯を構え、ましてやアンテナを伸ばして視聴なんかすると他人に刺さります。

ではどこが視聴する場所に適しているのでしょうか?

よく耳にするのは何かニュース速報があった際、飲み屋などで突如ワンセグを受信し、盛り上がった、というものです。実際そのようなシチュエーションは考えられますが、あくまでもレアケースでしょう。ワンセグを片手に飲み屋で一杯、という光景はあまり見たことがありませんし。

一つ上げられるのは自宅の部屋ですね。私も時々チャンネル争いに敗れた時に使います。皆さんご存じのようにワンセグの視聴は恐ろしく電池を消耗するのでACアダプタに刺しながら視聴できる部屋は満更でもないと思います。ふとこう書いていると思い当たるのが東京放送と博報堂DYメディアパートナーズの資料です。先日のエントリでは紛らわしいタイトルとして取り上げましたが、その内容はワンセグプロ野球中継が多く見られている、という内容のものでした。何だかチャンネル争いに負けたお父さんが、それもそもそも近年の鉄筋コンクリートの家の割合を考えると窓際で、携帯を充電しながら野球観戦している図、というのが目に浮かんで・・・あれ、前が見えなくなってきましたよ。。。

次はワンセグの録画機能について触れてみたいと思います。

(旧サイトより)