第二の宿敵、電話帳移行

前エントリで書類の山が最初の壁であることを述べた。

一通り事務処理を終えた新ユーザ。やっとこさ長い事務手続きという最初の敵を倒し終わった生まれたてのユーザに、ソフトバンクは無情にもボスクラスを対戦させて来る。

「それでは電話帳移行なんですが、こちらのソフトを使えば大丈夫ですので、ご自分でお願いします」

( ゚д゚)ポカーン

大体のユーザはこのようになる。そして手元には「携帯メモタツ」という如何にもフリーウェアっぽいソフトが残されることになる。多くのユーザはここで「竹槍でB29」のような状態に陥る。

ソフトバンクのWEBページを見ると以下の二つが電話帳移行の手法として紹介されている。

が、これらは旧携帯電話からアドレス帳を抜き出し、CSVファイルにするだけである。携帯メモタツやS!電話帳バックアップを使ってもiPhoneに直接電話帳を移行できる訳ではない。そこにはどしてもOutLookやアドレス帳の存在が必要となってくる。結論として、私はこれらのサービスやアプリは最後の最後で見限った。

まぁ、前半でApple信者を謳った割には、MacBook Proのアルミ筐体で金属アレルギーを引き起こして以来、すっかりWindowsをメインにしている。OfficeもWindowsの方が周囲との互換性が高くて良い。そこでWindowsOutLookを使った移行の仕方をメモしておきたい。実際、私はこの方法に行き当たるまで、4回ほど電話帳を入れ直した。これがPCに詳しくない人にとっては「竹槍でB29」たる確信である。

本題に入る前に、どうして4回ほど電話帳を入れ直したかについて書いておきたい。私がiPhoneを導入した一ヶ月前。既に多くの人がユーザになっていたが、どうにもこうにも、自信を持ってアドレス移行についてブログで紹介している人の様子がおかしい。
けったいな話だが、「ヨミガナ」の解決に手間取るユーザーが多いのだ。その結果、「名」に「名前」を当てはめ、「姓」に「名前ヨミガナ」を入れている人が検索、紹介されていたブログのうち、半分くらい居た。つまり

麻生太郎
と表示されるところが
アソウ タロウ麻生太郎
となっているユーザが半分くらい居たわけである。奇妙な話だが事実である。自信満々に「コレしかない!」と言い切らんばかりのユーザも居る。どうしてこのような喜劇が起きるか。ヨミガナの処理がうまく行かず、ア-ワ以外の「※」として処理される人が出てくるのだ。私の場合、400人強のアドレスのうち、実に40名ほどがヨミガナがうまく処理されず、アイウエオ順に並ぶことのできない人となってしまった。なお、私は特別自民党を支持する訳ではない。

次の問題がまたややこしい。携帯電話の多くはVCFファイル で電話帳をエクスポートする。最終的にiPhoneにはiTunes経由でアドレス帳を流し込むのだが、このアドレス帳を同期させる手段として、以下のものが用意されている。

とりあえずMobileMeは有料なので無視した。Yahoo!アドレス帳、Googleコンタクトはこれらを使って端から管理をしている人は良いが、それ以外の人は電話帳をインポートしなければならない。このインポート時の形式は双方ともCSVである。携帯メモタツCSVが生成されるので、早速インポートしてみたが、どうもうまく行かない。電話番号やメールアドレスが気持ちよくインポートできないのだ。携帯メモタツがダメなのか?私のSoftbank 910Pがダメなのだろうか?この時点ではまだ携帯メモタツを信じていた。

この段階でYahoo!アドレスブック、Googleコンタクト、MobileMeが手法として消えた。次はアドレス帳である。最初からWindowsにインストールされているこれで解決できれば問題ない。が、これは恐ろしい手段だった。。。
一件一件に対し、インポート時にポップアップが現れ、OKを押さねばならない。私の場合、400件。1件のインポートに付き、2回のダイアログが出る。もう「刺身にタンポポを載せるお仕事」並に辛い。
苦労してインポートしたが、結果的にうまく項目が対応付けされず、うまく行かなかった。携帯メモタツがダメなのか?私のSoftbank 910Pがダメなのだろうか?ソフトバンクがダメなのか?

そしてOutLookへとうつる。OutLookはVCFファイルによるインポートが出来る。これであればminiSD経由でバックアップしたVCFファイルをそのまま利用できる。かのように見えた。これが偏屈な仕様であり、一つのVCFファイルに付き一件のアドレスしか読まない。つまり400人を収録したVCFファイルをインポートしても、先頭の一人しか読まないのだ。。。そこでなんとかVCFからCSVに変更することになる。

ここで携帯メモタツから抜き出したCSVファイルを使ったが、結果としては前述したようにヨミガナがうまく対応付けされない人たちが出現する。ふと思い立ち、vectorをクリック。いくつかVCF-CSV変換プログラムを探してみた。しかし中には変な挙動をするものがある。例えば

09012345678
という電話番号がある。これがExcelを経由したりすると賢くお節介なExcel様は
9012345678
として処理する。この後、OutLookで取り込むとExcel様の心の友であるOutLook様は
09012345678
として無事に取り込んでくれる。
が、確かWindowsのアドレス帳だと思うが、アドレス帳はKYなので
9012345678
で登録し、そのままiPhoneと同期してしまう。当然、そのような番号は存在しない。
しかし人それぞれ、プログラマそれぞれ、環境それぞれ。VCF-CSV変換プログラムによってはExcelで扱うことを念頭に置いてあるものがあり
="09012345678"
で記録する。これが厄介だ。何せ普通にExcelを見ると0があるように見える。が、その実、OutLookにインポートすると電話番号が
="09012345678"
としてOutLookに登録してしまう。こんな番号、もっとアリエナイ。

そんなこんなで右往左往していると見付けたのがコチラ。少なくとも私の910Pでは上手くいった。

VcfToCsv
このソフトでケータイから抜き出したVCFファイルをCSVファイルにする。

この後、OutLookを立ち上げる。無料のソフトで無いマイクロソフトテクノロジーなのが何とも無念だが仕方がない。

  1. 連絡先を指定。
  2. ファイル→インポートとエクスポート
  3. 他のプログラムまたはファイルからのインポート
  4. テキストファイル(Windows,カンマ区切り)
  5. 適宜重複設定。二回、三回とチャレンジする人は要注意。気がついたらアドレス帳が倍になった。。。
  6. 連絡先を選択
  7. 右上のフィールドの一致を選択
  8. 「姓」を「名前」
  9. 「姓フリガナ」が真ん中より下にあるので「名前カナ」に設定
  10. 「自宅電話」を「電話番号1」
  11. 「自宅電話2」を「電話番号2」などメールアドレスの設定も含めて適宜
  12. OKを押し、完了、インポートの開始へ
この後はiTune経由でOutLookのアドレス帳を指定し、同期を取れば転送できます。

あくまで私のケースです。フィールド名などは皆さんの使ったツールや携帯電話などに寄って変わると思われる。これ以上は相性と言い切れるほど複雑な要素が絡んでくるので、必ずしも皆がうまく行くとは限らない。自己責任でお願いできればと思う。また、質問などにも答えることはできないかと思う。私の試行錯誤がお役に立てれば幸いだ。

ソフトバンクiPhoneの売り上げを嘆く前に電話帳の移行を完璧にやれる仕組みをつくるべき。
結論:ソフトバンクが悪い。

(旧サイトより)