リニューアルされた慶應義塾大学SFC WEBページに見るアクセシビリティと公式サイトへの要求事項

昨日、今日と一部で話題になっているWEBページがあります。
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスのWEBページが昨日更新されたのですが、びっくりするほど不評です。
http://www.sfc.keio.ac.jp/

たまにレストランなんかの公式サイトでフル FlashFlash非対応端末からの閲覧不可、というものを見掛けます。iPhoneからそういったサイトを見る度にストレスを感じるわけですが、まさか大学が採用するとは・・・

キーワードや教員の顔写真をクリックすると関係するものが集まってきます。視覚的には面白いですが、名前が読みにくく、顔を知っている先生以外は暇人以外からのアクセスは無さそうに見えます。個人的にはカーソルを近づけるとリンクが逃げていくのが不快です。
「先進的だけども不便」を地で行っているのが何とも言えません。

iPhoneから見るとこんな感じです。携帯サイトもHTML対応サイトも無いため、同様の表示がなされます。
もっとも、表示されたとしても、ネットワークの環境や小型モバイルPCでは計算機処理が間に合わず、著しくストレスを感じるページになるわけですが。

しかもFlashが必要、ダウンロードしてね、という文言がFlashで書かれる。これ如何に・・・

この件に関する苦情は各方面で書かれているので、この辺にするとして、WEBページが持つ役割とアクセシビリティの条件のようなものを垣間見ることが出来たように思います。公式WEBサイトに求められる条件で気付いたものをいくつか挙げると

  • スムーズな読み込み
  • 目的となる情報へのスムーズな到達
  • 視覚障害者への配慮
  • W3C準拠
  • モバイル端末、計算機資源の低い端末への対応
  • 特定のソフトウェアのインストールの必要、限定的な計算機環境からのみの閲覧など、情報にたどり着けない状況の排除
  • 内部関係者への事前公開。パブリックテストによるアクセシビリティの検証
  • 検索エンジン、個人のブックマークといったWEBページにとっての「資産」の重要性

特に最後の項目は昨今重要になってきたと思います。何か情報を求めたい、と思った時に検索エンジンを叩くことはしばしば。あるいは今後も参照をしたい情報についてブックマークすることも多々あるでしょう。これらは「アクセスしてもらいたい」と考えるサイト運営者にとってはこれらは「資産」と呼べます。これらを一方的に削除してしまう、というのは利便性の観点からも、アクセス数の観点からもマイナスにしかなりえません。googleのキャッシュからしかアクセスできない情報にどれだけ悲しんだことか、と思い出していただければと思います。

今後、HTMLページも用意される、という話ですが検索エンジンのキャッシュクリア、個人によるブックマーク削除を考えると至急、旧サイトに戻してやりなおすのが良いと思います。

ちなみに現状、SFC内の情報を検索エンジンから辿ろうとするとこうなります。

こうした事例もある、と勉強になったかな、と個人的には感じます。何か商品のイメージを伝えるサイトや、お祭りごと、特設サイトであれば派手な演出も必要ですが、公式サイトはスタンダードであることが求められているんだな、ということを感じた次第です。